近年増加傾向の梅毒に注意!何故現代で?

過去の病気と思われていた梅毒が、近年増加傾向にあるという研究結果が公表されています。
特に平成28年以降の増加率は顕著で、29年度もすでに前年度よりも速いペースで増えています。

梅毒というと、戦後間もない時期に大流行したと言われています。
その後の抗菌剤治療の効果で劇的に数は減少し、最も少ない年では数百人程度まで減少していたのが、近年では数千人の単位まで増加しているのです。

ただ、なぜ近年になって梅毒感染者が急増しているかの原因は、はっきりとはわかっていません。
ただ梅毒は過去の病気という意識が高いために、医師が診察をしても梅毒であると識別診断できずに、誤診してしまうことが多いとも言われています。
そのために、適切な治療が遅れ、感染者を増やす原因になってしまうことも考えられています。

過去の梅毒と、現在の梅毒は病原菌自体も進化しています。
そのために、出る症状が以前とは異なることもあるようで、そのことも誤診の理由のひとつになっていると言えます。

ただわかっていることもあります。
国内の梅毒患者数は、東京・大阪・神奈川などの都市部に集中している傾向があります。
逆に鳥取・島根などでは感染の報告がない県もあり、人口の集中するエリアで注意が必要ということがわかっています。
グローバル社会となった昨今では、外国人旅行客の流入が急激に伸びており、それが梅毒増加の原因にもなっているという指摘もあります。
梅毒は過去の病気ではなく、現在も流行っている感染症の一つであると、個々が認識することが重要です。

梅毒の治療にはペニシリンの抗生物質が有効であることは、昔も今も変わっていません。
最近の治療では、ピクシリンやサワシリンなどの合成ペニシリンを投与する治療法が主に行われています。
ただし一日三回の投与は、長期間行う必要があり、短い人で4週間程度、長い人だと12週間ほど投与し続ける必要があるため、医師の正しい識別診断が大切となります。

梅毒は治療を施さなければ最終的に死ぬ

梅毒は、主に性交渉などによる陰部同士の接触感染が多いのですが、口内に傷があったりする場合には、キスなどによっても感染する可能性があります。
皮膚や粘膜にある目に見えないごく小さな傷から感染してしまうので、本人が気づかない間に感染していることも多いのです。

梅毒の病原体は、温度や湿度の変化に弱く、簡単に死滅してしまいます。
また殺菌剤の効果は強く、簡単に死滅させることは可能です。
梅毒はトレポネーマ・パリダムと呼ばれる細菌が原因菌です。
細菌は、細胞外でも増殖することから感染者を増やしやすいといわれますが、梅毒の場合は抗生物質がかなり有効な治療となります。

梅毒の進行は1期~4期にわかれており、1期・2期では目立った痛みやかゆみを伴わないために、気づきにくいという特徴があります。
ただしこの段階でピクシリンやサワシリンといった抗生物質による治療を開始しておくと完治までが短くてすむため、初めの識別診断が大変重要になるのです。

3期になると症状はかなり進行し、肝臓や腎臓といった内臓器官にまで硬いしこりやゴムのような腫れがでます。
ここから治療に入ったとしても、傷跡が残るなどの後遺症がでることもあります。
3期に入っても治療をせず放置しておくと、症状はさらに進み4期に入っていきます。
このころには歩行困難や記憶障害などの深刻な症状が現れるようになっています。
体内でも、心臓血管系や中枢神経系が細菌によって侵され、大動脈瘤・進行麻痺などの症状が進んでいきます。
放置し続けることで、日常的な生活が困難になり、やがて死に至る深刻な病なのです。

近年は検査キットも進化しており、15分程度で結果が分かるものや、より高度な検査も2日で結果が出せるようになっています。
もし、梅毒の疑うのであれば、恥ずかしがらずに早めの検査がおすすめです。